ベースは簡単に弾ける楽器なの?って気になりますよね。
結論からいいますと、ベースは簡単に弾ける楽器です。ただし、ベースにはベースの難しさがちゃんとあります。
どういうことなのか、この記事では、ベースが簡単と言われる理由と、ベースの難しさについて、趣味で10年以上ベースを弾いている筆者が解説していきます。
ベースを始めようか迷っている人は、ぜひ参考にしてください!
ベースが簡単と言われる理由
ベースが簡単だと言われるのは、次のような理由があります。
- 基本的に単音しか鳴らさない
- ルート弾きでも曲が成立する
- ギターほどテクニックを必要としない
- エフェクターは基本的に必要ない
順番に、詳しく見ていきましょう。
基本的に単音しか鳴らさない
ベースは、音を出す難易度が非常に低いです。
具体的には、片方の手で弦(フレット)を押さえて、もう片方の手で弦をはじけば音が鳴ります。ちなみに、フレットをおさえなくても音は鳴ります。(開放弦=0フレット)
そして、ギターのようにコード(複数の音)をジャーンと鳴らす楽器ではなく、基本的には1つの音(単音)をボンボンと鳴らします。
ギターのコードチェンジは複数の音を切り替えなければならないのに対し、ベースは1つの音を切り替えるだけです。
このように、単純でわかりやすいのが、ベースが簡単だと言われる大きな要因のひとつとなっています。
ルート弾きだけでも曲が成立する
曲やジャンルにもよりますが、ベースはルート弾きだけでも曲が成立します。
※ルート弾き → 根音=ルート音を鳴らし続ける奏法。Cコードなら「ド」の音。
たとえば、アーティストの楽曲をコピーしてバンド演奏しようとなったときも、プロのフレーズを忠実に再現するのではなく、ルート弾きメインに簡略化して演奏することも可能。
バンドで新しく曲を作ろうとなっても、最悪はルート弾きだけしていれば曲は成立します。
1本の指で1本の弦を押さえて1つの音を鳴らし続けるだけなので、難しくはありません。
イメージがわかりづらい方は、DOESの「曇天」を聴いてみるとわかりやすいかと思います。
ベースは延々とルート弾きですが、カッコよく曲が成立しています。(ギターもドラムもかなり単調です)
ギターほどテクニックを必要としない
ベースでの演奏は、ギターほど多彩なテクニックを必要としません。
たとえば、チョーキング、ビブラート、スライド、ブリッジミュート、アルペジオなど。
もちろん、ベースでもギターで使うテクニックを使うことはあるし、テクニック習得を怠る理由にはなりません。
とはいえ、ギターで広く使われるテクニックでもベースでは必須かと言われればそんなことはないので、その点では簡単と言えます。
エフェクターは基本的に必要ない
ベースは、基本的にエフェクターを必要としない楽器です。
ベース向けのエフェクターも多種多様なラインナップがありますし、音を整えたり変化させたりと、使いどころはあります。
ただ、プロのアーティストでも「アン直」(ベース本体からシールド1本で直接アンプにつなぐこと)の人もたくさんいますし、ベース歴が長くなるにつれて結局アン直に近づいていくなんて傾向もあったりします。
ベース本体から出る音を素直にアンプから出力するだけなので、ギターのように多彩なエフェクトを考えなくていいのも、簡単だと言われる要因のひとつと言えます。
ベースの難しさとは?
私の主観的な意見も含まれますが、ベースは次のような難しさがあります。
- ベースとしての役割を果たすこと
- ちょっとしたミスでも目立つ
- 際限がないテクニック
- モチベーションの維持
順番に、詳しく見ていきましょう。
ベースとしての役割を果たすこと
ベースの最大の難しさであり、同時に最大の楽しさでもあるのが、ベースとしての役割を果たすことだと私は思います。
ベースはドラムとあわせて「リズム隊」と呼ばれる楽器。
ギターやボーカルのように前に出るのではなく、バンドを土台から支える影の立役者です。
バンドでは、ボーカルや管楽器などは単音を軸にした横の動き(メロディ)、ギターや鍵盤楽器はコードに沿った縦の積み重ね(ハーモニー)、そしてドラムやパーカッションはリズムを伝える役割を担っています。それら3つの要素をすべて組み合わせて、バンド・サウンドをまとめ上げるのがベースの役割なのです。
引用:リズム/ハーモニー/メロディから解き明かすベース・ラインの手法 高橋 竜(著)
ただ曲にあわせて音を鳴らすだけではなく、絶妙なニュアンスや他のパートとの兼ね合いで生み出されるグルーヴなど、感覚的な部分(センス)を非常に問われるのがベースです。
そういった「ベースとしての役割」に焦点をあてて、追求していくことが、ベースの最大の難しさだと思います。
ちょっとしたミスでも目立つ
ベースは、正しく演奏できているときはぜんぜん目立たないのに、ミスをすると一気に曲の雰囲気を破壊します。
バンドを土台から支えるパートなので、1つのミスの影響範囲が自分だけでなくバンド全体に波及するのです。
一見すると簡単そう・ラクしてそうに見られがちなベースですが、常に完璧な演奏を求められているという点では、非常に難しい楽器です。
際限がないテクニック
どの楽器にも当てはまりますが、テクニックに際限がありません。
ベースといえば、指弾き・ピック弾き・味付け程度にスラップというイメージでしたが、最近はベース=スラップというイメージ。
スラップでテクニックを競い合うような風潮があり、スラップができない=上手くないみたいな風潮があるように思います。※筆者の感覚
スラップに関しても、単純にドンドンペッペッ!と音を鳴らすだけでは物足りず、高速ロータリーやトリプルプルなどの高度なテクニックがないと、もはや退屈さすら感じられるような空気感です。※筆者の感覚
テクい演奏をしている⇒マネしたくなる⇒できる人が増える⇒さらに高度なテクニックが求められる⇒際限がないテクニックの追求⇒底なし沼
という感じで、ベースを弾く目的すら見失ってる感が否めません…。
こういった際限ないテクニックの追求が、ベースの難易度を底上げしているようにも思います。
モチベーションの維持
本筋から外れた話にはなりますが、モチベーションの維持もベースの難しさのひとつです。
ベースは、ギターのようにメロディを奏でるものではなく、バンドの役割的な視点からも、1人ではなかなか楽しさを見出しづらい楽器でもあります。
ベースは「楽しい」と感じるまで時間を要します。初心者のうちは、練習が地味で飽きて続かないっていうのもあるあるだと思います。
あるていどのテクニックが身につくと、楽しさも増してきます。そこまで、どうモチベーションを保つかも難しさのひとつです。
ギターとベース、どちらが難しいのか?
とくにバンド初心者にありがちな疑問だと思うのですが、ギターとベースはどちらの方が難しいのか?ということについて。
私が思う結論を述べますと、「楽譜をなぞって演奏するだけ」なら、ベースの方が簡単と言えます。
理由は、前述の「ベースが簡単な理由」で述べたとおりです。
ただし、それは表面的な部分での話であり、楽器として・音楽として・バンドとしての視点からは一概に比較できるものではありません。
ギターはギターの難しさがあり、ベースはベースの難しさがあります。
ギターはメロディ楽器、ベースはリズム楽器と、役割も違えば求められているものも違います。
なので、本質的な結論で述べると「比べられるものではない」になります。
もし、簡単か・難しいかでギターとベースのどちらを始めるか悩んでいるのなら、私はなんとなくでも「興味のある方」で選ぶのをおすすめします。
フィーリングって結構大事です!
「簡単か・難しいか」よりも、楽しむことが大事!
本記事では、ベースが簡単と言われる理由と、ベースの難しさについて解説しました。
最後に私の思いをお伝えしますと、簡単か・難しいかよりも、楽しむことが大事です!
ベースに興味を持ったのなら、まずは実際に弾いてみてください。
それで楽しければ続けられるし、続けていくうちにベースの楽しさや難しさがわかってきます。
なにごとも、まずはやってみることが大事。興味を持ったのなら、ベースを始めてみましょう。きっと素敵なベースライフが待っていると思います!
本記事の内容は以上となります。最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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